不動産の視点から見た、東京・下町「深川」の街の魅力とは

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不動産購入の際に誰もが気にする「資産性」。
終の棲家として購入しようと思っている方でも、物件の資産性はやはり気になるものです。
住まい探しをする際に、都心からのアクセスや最寄り駅からの距離などを判断基準にされる方も多いことと思います。
ライフスタイルの変化により働き方も少しづつ変わっていく中で、なぜ「深川」の街は人気のエリアなのかをクローズアップしてみましょう。

魅力1. 都心へのアクセス

江戸時代初期の埋め立てにより始まった深川の歴史。
その後はエリア内を縦横に走る河川を利用しての木材・倉庫業、米・油問屋の町として栄えてきました。
日本の中心地「東京駅」から隅田川を渡って深川エリアに入るまでは歩いても30分ほどの距離です。
最近は都心のオフィスまで自転車で通勤している方も多く見受けられます。
鉄道が無かった時代には、縦横に走る運河での水運が盛んだったようですが、今ではたくさんの鉄道網がエリア内を縦横に走っていて、いろいろな交通経路が利用できます。
深川エリア内には5路線(東京メトロ東西線、東京メトロ半蔵門線、都営地下鉄新宿線、都営地下鉄大江戸線、JR京葉線)が縦と横に交差しており、合わせて7つの駅(門前仲町駅、木場駅、東陽町駅、清澄白河駅、住吉駅、森下駅、越中島駅)があります。
もちろんどの駅からも都心へのアクセスは良好で、鉄道だけでなく路線バスの本数も多くとても便利です。
また将来的には深川エリアを南北につなぐ、東京メトロ有楽町線(地下鉄8号線)の延伸計画(豊洲駅~東陽町駅~住吉駅間)もあって、江東区としては早期実現を目指して力を注いでくれていますので、こちらも大いに期待したいところです。

都心部においては東京駅周辺の八重洲、丸の内、日本橋地区や港区の虎ノ門地区などの大規模な再開発ラッシュが続いており、今後も都心部の就業人口は増えることが予想されます。
これらの再開発エリアからも近い深川エリアは、今後のライフスタイルが少しづつ変わっていく中でも、職住接近を求めて移り住む方が多いことには変わりないでしょう。

魅力2. 新旧融合のバランス

深川には江戸時代から続く文化を脈々と引き継ぐ器があります。
そもそも深川エリアには寺院などが多く、古き良き文化が今でもたくさん残っています。
350年以上の歴史を持つ江戸三大祭りのひとつである「深川八幡祭り」が代表的な例ですが、他にも富岡八幡宮の境内で定期開催される骨董市や深川不動堂参道の縁日など、古くから続く伝統や古き良きものを取り入れる文化があります。
各町内会の活動も活発で、冬には餅つき、夏には盆踊りなどの夏祭りが深川のいたるところで開催されています。
小さなお子様からお年寄りまでの幅広い世代に渡って楽しめる街なのです。
このように世代間の格差がなく、人々が新旧バランス良く入り混じる街は、絶えず魅力を保っていける街であり人気の街なのです。

魅力3. 街に勢いがある

住宅情報誌などが発表する人気の街ランキングを毎年にぎわすのは、「吉祥寺」「恵比寿」「池袋」「横浜」など、全国的にも有名な街というよりも駅名が並ぶのですが、「深川」の街はなかなかランキングに入っていけません。
そもそも「深川」という駅名があるわけではないので。。
深川にあるそれぞれの駅はビッグターミナルというわけではないので、ランキングではあまり目立たないのですが、TVや雑誌などメディアで取り上げられる機会はとても多いです。
以前は圧倒的に「門前仲町」の露出が多かったのですが、最近では「清澄白河」の人気が高く、若い世代の特に女性からの支持が高くなってきています。
最近のカフェブームを筆頭に、個人オーナーの魅力的でさまざまな業態の新規出店が盛んなのが要因なのですが、街がブランド化している表れでもあり、不動産価格の上昇にもつながっています。
新しく開発された街では決して造り上げることが出来ない、落ち着きと流行を兼ね備え、新旧がうまく融合している街こそが老若男女から支持され、これからも永く発展し続けられる街なのではないでしょうか。

住みたくなる街の条件とは

不動産の価値を測る際に重要なのが、その街が「誰もが住みたくなる」ような魅力を持った街かどうかです。
住宅地として不動産価値が下がりにくい街を見てみると、そこにはいくつかの共通点があります。

一つ目は、都心や主要駅へのアクセスが良いこと
二つ目は、生活利便性が高く、職住が近接していること
三つ目は、商業施設や公園などが充実している環境であること
四つ目は、レベルが高く安心できる教育環境があること
五つ目は、歩いても楽しい街であること

深川は、これらの条件が比較的揃っている街なのです。
四つ目の教育環境においても、もうすぐ創立150周年を迎える「明治小学校」を筆頭に公立校の評判は全般的に高いです。
そもそもが若い人たちなど子育て世代の流入が特に多い江東区ですので、行政側も子育て支援に力を入れてくれています。

その他、深川の街の魅力は「深川くらし」の記事を隅から隅まで読むと伝わると思うのですが(笑)。。
それでいて山の手エリアに比べると価格が比較的安いのも魅力です。(最近の人気でほぼ近づきつつありますが..)

まとめ

大事な資産としての不動産探しをする際には、物件の魅力だけではなく、街の魅力も併せて検討する必要があります。
多様化する時代に、その街の持つパワーや魅力によって、今後は価格の差が大きくなる可能性があります。

少子化で共働きの方々が多く、今後も職住接近で探す方が多いのは間違いないと思っていますが、これからはオフィスの考え方も多様化していくでしょう。
今回の新型コロナウィルスの拡大によるテレワークの増加により、今までの働き方から急速に変わっていくことが考えられます。
毎日通勤しなくても良い働き方が加速するかもしれませんし、都心部への一極集中の考え方が少しづつ変わっていくかもしれません。
しかしながら、それぞれの条件の揃っている楽しい街「深川」は、やはり魅力的な街として今後もあり続けることに違いはないでしょう。

写真提供:フカフォト

【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役、リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表
宅地建物取引士、2級FP技能士、公認不動産コンサルティングマスター
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に執行役員として主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。

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