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個人事業主・フリーランスの住宅購入プロセス①『購入時の課題』を解消する考え方とは?

コラム

働き方改革の影響で働き方が多様化してきており、当社へのご相談いただく方の中にもフリーランスや個人事業主の方が増加しているように思います。

内閣官房日本経済再生総合事務局が実施した「フリーランス実態調査」(2020年2月10日〜3月6日調査実施)によれば、本業をフリーランスとして仕事をしている方は全国で約214万人に上るそうです。

この数字が多いのか少ないのかは分かりづらいところではありますが、政府は「一億総活躍」「人生100年時代」といったスローガンに沿って、フリーランスの支援や保護といった環境整備を進めていますので、今後もフリーランサーは増加していくものと思われます。

この記事では、そういったフリーランス・個人事業主の方が住まいを購入される時の課題と、課題を解消する考え方について解説したいと思います。

個人事業主/フリーランスとは?

(一社)プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会の定義では、フリーランスを「特定の企業や団体、組織に専従しない独立した形態で、自身の専門知識やスキルを提供して対価を得る人」と定めています。

この記事での取り扱いにあたって、この定義では広すぎますので「フリーランス=個人事業主などの小規模事業者で、雇用関係を結んでいない人」として話を進めていこうと思います。

こういったフリーランサーの方が住宅を購入する際に気にされることは、「収入が少ない(抑えている)・安定していない」ことではないでしょうか。

当社にご相談をいただくフリーランサーの方の中にも「住み替えを検討したくても住宅ローンを組むこと自体が難しいのではないか?」と懸念される方が非常に多いのです。

では、こういった課題に対してどのように考えて検討を進めれば良いのでしょうか?

【ポイント①】住宅ローンをフラット35などの固定金利にする

住宅ローンを固定金利にしてマイホームを購入した場合、月々の支払い額は変動しません。

そのため、月ごとに収入の差があるフリーランスの方にとっては、住宅ローンの固定金利を選択した方が先々の見通しが立てやすくなります。

月々の支払い額が固定の場合、月々の仕事量を調整しながら支払いに充てることが比較的容易になります。

また、住宅ローンの審査の際の審査金利が変動金利の場合より低いため、融資金額を伸ばせる傾向にあります。

ただし、事業年数や年収などといった審査基準が金融機関ごとに異なりますので、事前に確認しておくようにしましょう。

年収を低く抑えていると借入金額に大きく影響し、審査基準も厳しめになってしまう事がありますので注意が必要です。

【ポイント②】団体信用生命保険への加入

団体信用生命保険(以下、団信)は、住宅ローンを組む場合に加入することが一般的な保険です。
※フラット35の場合は任意加入となります。

返済中に名義人が亡くなってしまった、重大な障害を負ってしまったという場合に、その時点の残債を保険会社が肩代わりしてくれます。

団信は、残された家族が経済的に困窮することを防ぐためのものですので、名義人の方にとって安心感があると思います。

なお、死亡や高度障害であっても保険の利用条件に該当しない疾病や怪我による場合は適用されないケースもありますので、保険の適用対象を事前にしっかりと確認するようにしておきましょう。

ただし、健康上などの理由で団体信用生命保険に加入できない場合には、一般的に通常の金融機関の住宅ローンが利用できなくなってしまうため注意が必要です。

【ポイント③】家賃より、月々の返済額が抑えられる可能性

購入する物件の条件にもよりますが、住宅ローンの返済額が現在支払っている月々の家賃よりも少なくなる可能性があります。

例えば3,000万円の中古マンションを購入するための固定金利の借り入れを35年返済でシミュレーションした場合、月々の支払い額は約100,000円(金利2.1%、ボーナス付きの上乗せなしで試算した場合)です。

これを家賃で考えると、住んでいるエリア・間取り・築年数などにもよりますが、ファミリータイプの場合100,000円を超える家賃を支払っているという方も多いのではないでしょうか。

ちなみに当社が所在する東京都江東区の賃料相場は、アットホーム(株)が発表している家賃相場によれば、20.77万円(3LDK〜4DK、2021年7月の平均)となっています。

検討するエリアや借入額・金利固定・変動といった種々の条件にもよりますが、購入したほうが賃貸よりも月々の支払い負担額が小さくなるというケースは決して少なくありません。

まとめ

ここまで、フリーランス・個人事業主の方が住まいを購入される時の課題と、課題を解消する考え方について解説しました。

フリーランスの方がサラリーマンに比べて収入が少ない(抑えている)・安定しない傾向にあるのは否めないことだと思います。

しかし、事業を継続し、取引先や固定の仕事が増えていくことで安定した収入を確保されている方も多数いらっしゃる中で、フリーランスだからという理由で住宅購入をあきらめてしまうのは少しもったいないことだと思います。

当社では、フリーランスで住宅購入を希望されるお客様のために、お客様のお仕事はもとよりライフスタイル、実現したい夢、解決したい課題などを伺いながら、住まいに関する最適なご提案をさせていただいております。

当記事のような課題に対しては、当社のパートナーであるファイナンシャルプランナーといった有資格者とも連携しながらお客様の豊かな暮らしのデザインのお手伝いをいたします。

当社ではさまざまなセミナー/イベントなどを随時開催しておりますので、お気軽にご相談ください!

別の記事でもフリーランス・個人事業主の方の住まい探しについて解説していますのでぜひご参照ください。

⇒「個人事業主・フリーランスなど自営業の方が住宅を購入した方がいい理由とは?

②へつづく ↓ ↓

【著者プロフィール】柴田光治
株式会社トラストリー 代表取締役
リフォーム不動産深川studio|深川くらし相談所 代表

宅地建物取引士、2級FP技能士
不動産業界歴35年。大手不動産会社在籍中に執行役員として主に売買事業を統括し不動産流通に関わる。その後複数の会社役員を経て株式会社トラストリーを立ち上げ、地元密着型の不動産会社としてお客様に寄り添ったわかりやすい提案を身上とする。

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